2006年11月04日

Study GroupとCVP

Punting at Grantchester

11月に入っていよいよCambridgeも本格的に寒くなってきました。まだ天候に恵まれているから良いものの、風は突き刺すような寒さで、自転車に乗っていると朝夕は手袋なしではキツくなってきました。これからもっと寒くなって天気もどんよりしてくるのかと思うと今からブルーになります。

さて今日はいよいよCVP(Cambridge Venture Project)が始まりました。Michaelmas Term(1学期)の最大のイベントかと思われます。CVPは去年までECP(Entrepreneurship Consulting Project)と呼ばれていたもので、地元のベンチャー企業にプロジェクトとかをアウトソースしてもらい、その内容に従ってマーケット調査・戦略立案などを行い、最後にそれを成果物としてプレゼンするというプロジェクトです。Durationは今から学期末までの約1ヶ月強。これを5人のStudy Groupのメンバーと一緒に取り組みます。今日はその第一日目でクライアントとの初ミーティングがありました。

そういえばStudy Groupについてまだ書いていなかった気がします。これはバックグラウンドや国籍がかぶらないように注意しながら学校が編成した5人一組のグループで、学期ごとに変わります。今学期の自分のチームはインド系イギリス人(金融)、台湾系アメリカ人(メーカー)、インド人(コンサル)、アルバニア人(非営利団体)+自分という感じです。

今までStudy Groupでの活動といえばManagement Analysisの授業のケースとかで一緒する程度でしたが(それでも結構な時間を一緒に過ごしましたが)、それでもだんだん役割というか棲み分けが出来てきてその変化が興味深かったりします。イギリス人のNは唯一のNativeということもあり、やはり発言権がもっとも強いのですが、結構飽きっぽかったりするので途中からケースに興味を失って他のことをやり出す傾向があります。インド人のBは最近かなりのいじられキャラとなってきているのですが、非常に頭が良く、チームの重要なブレーン役となっています。穏和で頭がよい、というまさにインド人らしいキャラクターの持ち主です。アメリカ人のDもこれまたいい奴で、非常に効率的かつ実行力のある人物。アジア人の良さとアメリカ人の良さを併せ持ったようなキャラクターです。アルバニア人のEはチーム唯一の女性。非営利団体だったこともあってかMBAでやるビジネス的なことからは少し距離があったみたいで、ハードスキル的な部分では頑張ってついて行っているという感じがありますが、最後のアウトプットを作る部分においては頑張って力を発揮しています。さて、そんな中での自分は・・・これが結構難しいところだったりします。チームの中でもっとも自分が力を発揮できるところ・・・まだ「これだ!」とはっきり定義出来るものが見つかっておらず、これがもどかしかったりするのが目下の悩みでしょうか。

さて自分たちのチームが携わることになったプロジェクトは個人的にも非常〜に興味がある分野なので今から結構燃えていたりします。他社はどこも追随できていないSound Projector技術を有している会社で、日本の某有名オーディオメーカーへその技術をライセンス提供したりもしています。たとえばホームシアターなどで5.1chを実現するためにスピーカーを5つ+サブウーファーを設置すると思いますが、彼らの技術を使えば前方に一つスピーカーを置けばそれを擬似的に実現できてしまうと言うもの。スピーカー一つというのは実は見た目の話で、実際には実は中に16個もの小型スピーカーがついていて、それぞれが目的に応じた方向を向いており、たとえば後ろから聞こえるべき音をだすスピーカーはちょっと外を向いていて部屋の壁の反射を使って後ろから聞こえるようにしたりします。

これだけだとさほど珍しくないかもしれません。彼らのdifferentiatorは、音をビーム化する技術を使っているので、そのビームのあたる範囲から外れると音が聞こえないという点。更には部屋の中で自分が動くと、16個のスピーカーがそれを検知して、移動先で快適に5.1chが聞こえるようにそれぞれ向きと音量を調節するという点。後者は驚きです。そんなことが出来るのか!とクライアントから話を聞いてたチームメンバーはみんな目から鱗状態でした。前者もこれまた驚きですが、これはたとえば、モニタを前に2人が同じソファに座っていたとして、1人が映画、1人がゲームをしていた場合、互いがそれぞれ必要としている音しか聞こえないので互いに干渉しなくて済むというメリットがあります。

会社の目下の悩みは、どうしたらこれをもっと売れるように出来るか。たとえば日本では、某有名オーディオメーカーがその製品を出しているとは言え、さほどマーケットシェアは取れていない様子。日本の消費者がそれを求めていないのか、環境が許さないのか、調べたいというわけです。日本のみならずオーディオ、ホームシアター大国のすべてにおいてもしかり。マーケットリサーチを手伝って欲しいというわけです。

ちなみにこのSound Projector技術、オーディオだけでなく、ゲーム業界、テレビ業界にもどんどん進出させたいみたいです。ゲーム業界も大きくPCゲームとコンソール(PS2、X-Box等のゲーム機)と分けられますが、PC向けであればソフト開発者とのタイアップ、USBデバイスとしてのスピーカーの開発、コンソール向けであれば手軽に本体に接続できる外部スピーカーの開発など、可能性はいくらでもあり。テレビで言えば最近はデジタル放送化+モニタのプラズマ・液晶化+大型化が一気に進んでいますが、デフォルトでそう言ったテレビのスピーカーに彼らの技術を組み込めないか、等々。テレビメーカも独自に色々開発しようとはしているらしいので、場合によっては競合になるし、うまいことパートナーを見つけられれば、と言ったところでしょうか。

彼らの技術、すごいことは間違いないのですが、やはり「すごい技術=売れる」という図式は必ずしも成り立たないので、今売れていないのであれば何でそうなのか、逆に売れるようにするにはどのようなマーケットへのアプローチが必要なのか、頑張って良いアウトプットを出せるようにしたいところです。

個人的には将来性は感じています。今はオーディオ、ゲーム、テレビと3つセグメントを分けて考えていますが、たとえばSonyがやろうとしているようなHome Station的コンセプトが受け入れられるようになると、一つのデバイス+モニタが、既存のテレビ、PC、ゲーム機、HDDレコーダ等々(IPv6が実用化されたら家電も?)すべてを統合した中央装置(良い言葉が見つからない!)としてリビングに一つデンと構えているのが現実のものとなります。その売りというかメリットはやはりスマートさであり、simplicityであると思いますが、その方向性ともばっちりマッチしている気がします。

プロジェクトは、ひとまず手始めとしてマーケットの周辺の状況をそれぞれ手分けして探ろうという事となり、自分はスピーカーのブランドイメージやマーケットシェアでは不動の地位を築いていると言っていいBOSEの調査を行うことにしました。クライアントがライセンス提供しているメーカーの状況と比べてどうなのか、何が違うのかを探るためです。BOSEユーザとしてはこれまたmotivationがあがる担当をゲット出来てラッキー。とにかくpersonal interestを満たしてくれそうなプロジェクトで良かったです。
posted by kensuke at 07:09| Comment(0) | TrackBack(0) | MBA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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